所詮人。

毎日毎日色んな顔に出会い早々と一日が過ぎる。
昨年まであれ程多くの人間を見て自分の甘さを痛感したというのに、今年に入って既に学習能力の乏しい自分に気付く。

虚し

人はかくも簡単に裏切るものなのだよ。

俺が甘い。自分の常識（と思い込んでいたもの）は、とても低いレベルで全く通用しないことを知る。

されど。

どれだけの人がそれを体感、認識して自己形成に反映しているのか？
都市部繁華街の人群れを歩いて思う。
すれ違う人のどれだけが自分よりも多くの世間を認識し、それを受け入れているのだろう。

ざっと目に入るだけでも、殆どの人が俺よりも幾多の人間を見、交わって自己の糧としているのか？大局を悟り自己と相反する人間を許して生きているのか？

否。

そうではなかろう。

自分が人よりも多くの経験があるとは思わないが、少ない方ではあるまい。通り過ぎた人の数に対しての自覚する経験値は未熟としても。
自ら自己の居場所を変えることなく、平素の環境を過ごす人よりは多岐にわたる人間を多く見てきたのではないか。勿論、平素変わらぬ環境に順応して、その中でストレスを感じながらも、日常の環境を継続させることの出来る人間を尊敬する。自分がそうではないというだけのことで、只単に、それでも多くの人間を見てきているのではないか、と思うのだ。

それでも身に染みる。

本当に本当に本当に。

信じられないくらい簡単な次元で、自分の常識が覆される。

そして、それを体感させてくれる人は、こちらが理解不能な程の思考、行動に対して、こちらが思うほどの抵抗は微塵も感じていないのだ。

だから簡単に人を裏切る。

自覚がないから。

だから簡単に偽善者になれる。

自覚がないから。

受け入れるのは到底無理だ。

開き直りでも何でもなく。

あくまでも「慣れ」ていくのだろう。

感覚が鈍る、という表現も正しいかもしれない。

相手を卑下することで自分の価値観をガードするのは容易だ。

それだけは絶対にしたくない。

それこそが偽善。

難しいな。

死にそう。